MI修復の虫歯(感染歯質)取り残しについて

MIの概念が早くから広まったヨーロッパでは、虫歯を極力小さく削った際にどれぐらいの感染歯質の取り残しがあるか、以前から検討されてきた。

実験によると7~25%の取り残しの報告があります。 実際MI修復(レジン)の臨床成績を見てみると再う蝕の発生率が比較的高く感染歯質の取り残しによって予後不良となっている場合が少なからずうかがえます。

これを防ぐためには 感染資質の完全な除去 あるいは除去した欠損部の殺菌が必要になります。しかし感染歯質のわずかの取り残しがあっても欠損部を殺菌することにより予後は良好となります。

最近抗菌性の接着システムが世界に先駆けて日本で発表されたことは喜ばしいことです。早速臨床に取り入れました。新しい治療の考えとして、う蝕をある程度除去をして接着剤でう蝕細菌を封じ込めて象牙質を再生する方法も研究されています。

現在の取り組みは①抗菌剤による感染資質の無菌化 ②修復材への抗菌性付加 ③細菌を封じ込めるシールド法 ④歯質の再石灰化に期待する方法などがあり その延長線上に再生治療の期待があります。そこには細菌が残されたままの 感染歯質が修復材料などの機能により 再生していく治療方法があるのでしょう。