虫歯より深刻「酸蝕歯」ちびちび飲み、歯には負担

虫歯、歯周病に次ぐ第三の歯の疾患として、近年問題になっている酸蝕歯(さんしょくし)。酸性の飲食物などで歯が溶けてしまう症状です。詳しい原因や予防法を知ることが必要になってきました。

ワイン、炭酸飲料、栄養ドリンク、かんきつ類。ドレッシングなど酸性度の高い飲食物が原因で歯が溶ける恐れがあります。㏗5.5がだいたい限界点です。健康ブームなどで酢もよく使用するようになりました。

ほとんどの食物が歯を溶かす原因となりえます。

歯はさんに弱いが、だ液が酸を洗い流して中和するために、通常は大きな問題は起きない、ところが強い酸に長い時間、または繰り返し触れていると、だ液の中和作用が間に合わなくなります。化学反応で歯の表面のエナメル質が溶け、薄くなったり柔らかくなったりします。

さらに溶けるとエナメル質の下の象牙質がむき出しになり、歯がしみたり、もろくなって欠けてくる場合もあります。これらの現象を歯の酸蝕と言います。

外務技官で東京医科歯科大学非常勤講師の北迫勇一氏は「酸蝕歯」は広範囲な分、局所的な虫歯に比べて深刻と指摘する。酸蝕歯は酸にさらされる歯全部が溶けてしまう為です。歯垢のたまりやすい部分が溶ける虫歯より影響が大きい。

潜在的な患者さんも多い。北迫先生が15から89歳の男女1108人を対象に2014年に実施した調査によると、4人に1人が酸蝕歯だったという。

酸蝕歯が厄介なのは「健康や美容に良いとされるものが原因になるところ」と先生は述べています。ダイエットのため黒酢を朝晩飲んでいたり、手の甲のシミを薄くしようとグレープフルーツを一日二玉食べていたりする、健康や美容への意識が高い人ほどなりやすい傾向が最近の傾向です。熱中症対策にスポーツドリンクをよく飲む人も要注意だと述べています。

酸性・アルカリ性の度合いを示す㏗値は、低いほど酸性度が高くなります。虫歯の場合、口の中が5.5以下になるとエナメル質が溶け始めます。酸蝕歯を引き起こす明確な㏗値ははまだわかっていないが、5.5以下の飲食物はリスクを高めると考えられます。美味しいと感じる食べ物ほとんどが関係してきます。

酸は外からの摂取だけでなく、体の中からも歯を蝕みます。酸蝕歯の重症例の多くは胃酸が原因だといわれています。胃酸は酸性度が高く、逆流性食道炎や摂食障害の嘔吐などで歯が溶けるケースが増えているといわれています。

酸蝕歯を防ぐには、歯を酸に長時間さらさないことが何より大切です。原因となる飲食物の過剰摂取を控え、飲み方や食べ方も見直しましょう。ちびちび飲みや、だらだら食べるのは良くないのでやめましょう。飲み物はなるべくストローを使うと、歯への接触を少なくできます。飲食後にガム 特に再石灰化が可能なもの(歯科医院専用)を噛むのもよい。だ液もたくさん出て、酸を中和くれます。

コップ一杯の水に小さじ一杯の重層を良く溶かした重層水も効果があるといわれています。弱アルカリ性の重曹水が酸を中和してくれます。飲食後の胃酸の逆流後も有効だといわれます。重曹がない場合はお水で、中和はできないが、酸を洗い流すだけでも予防につながりますのでお口を漱ぐのも効果があります。虫歯の予防には歯磨きは有効ですが酸性度の高いものを飲食した時は30分ほど待ってからの歯磨きを勧める先生もいますが 30分ほどでは再石灰化があまり期待できないともいわれています。私は食後すぐ磨いても重度の酸蝕歯がなければ構わないと思っています。硬くない歯ブラシを使い 再石灰化を期待するデンタルペースト使い丁寧に磨くことを心がけてください。