噛むことの大事さ
自分のことはかわいくて 長生きしたい病気にもなりたくない もちろんボケなんかまっぴらと思いながら 健康に悪いと書いてあるたばこを吸い なるべく歩かないでエレベーターを使い 自分のものでも持ってきてもらい 酒を飲み美味しいつまみをおなかいっぱい食べ 対外ストレスを受け歯をくいしばり 小腹がすいたと何か食べ もちろん歯など磨く暇もないし歯ブラシもそばにはない 疲れきっていびきをかいて寝たような気になる。これはもしかしたら睡眠中 舌が気道に落ちて気道をふさいで呼吸が停止し 脳の酸素不足の状態のこともあり 最近問題になっています。睡眠時無呼吸症候群といわれ 寝ているはずなのに日中すっきりしない よく居眠りすることもあり 事故にもつながります。
メタボまっしぐら歯槽膿漏 心筋梗塞 脳梗塞まっしぐらなのですが寝込んだり入院したりでの最後の死因は肺炎が多いんですよ。誤嚥性肺炎と言います。食べ物や入れ歯の汚れとばい菌 磨き残しの歯の周りの食べ物やばい菌が間違って肺に入り抵抗力が弱っていると肺炎になり お亡くなりになるケースがたくさんあります。
ありきたりのことですが健康長寿の秘訣 それはしっかり噛んで 楽しく食べられる力が必要です。噛むことのメリットはよく知られています 肥満防止や若返り 脳への刺激つまりメタボリックシンドロームやボケ防止に重要です。
よくむせる せきが出やすい 話し声が小さくなった 歯が揺れる 冷たいものが沁みるようなこととか 食べ物がのどにつかえてしまう また歯をごっそり失ってしまったり大変なことになります。その前に現状の維持が大切です。この当たり前のことがとても難しいことです。お口のトレーニングや口腔管理を継続しましょう。
戦後間もないころは、歯を磨くという習慣が定着しておらず、昭和50年ころまでは虫歯が大きな問題となっていました。治療法というと歯を大きく削り、丈夫な金属をかぶせるというのが一般的でした。しかし現在では、虫歯の発生メカニズムも解明され、予防や治療法も進んできました。歯は溶けるるばかりでなく、溶けたところが修復されることもわかってきました。これによって、できる限り小さく削り、痛みなどの症状がない場合は、すぐに削らず長期観察をする時代になってきました。虫歯予防の、歯磨きも徹底され若年層を中心に、その罹患率は大幅に減少しています。反対に高齢化とともに、歯の根元が出てくる そこが虫歯になる、歯がすり減る ヒビが入るなど困っている人は年々増加しています。治療も難しいです。
では虫歯とはもう一度確認いたしましょう。最近言われているのは 生えてきたばかりの若い歯の場合 歯の表面に付いた酸が少しずつ穴を広げているのではないのだそうです。ほとんどの虫歯はほんのわずかの歯の管から酸が中に侵入し内側から歯を浸食し、やがて表面に穴があき崩れ落ちるということです。つまり虫歯の原因菌が酸を作りエナメル質の小さな柱の隙間にしみこみ中から溶かし、気が付いたら手遅れということもあります。
虫歯予防の切り札は唾液です。唾液は虫歯菌の攻撃を防ぎ歯の修復を行います。つまり食後20分ぐらいは虫歯菌は活発に酸を作り歯が溶ける時間です。その酸を中和するのが唾液です。しかも歯の材料であるカルシウムまで含まれていて、酸に溶かされた部分を修復してくれます。これを再石灰化といいます。歯は口腔内で常にこの 溶かされる 修復するを繰り返しています。一日三食と少ない間食なら何とか修復も間に合いますが、問題は間食が多かったりいつまでも食べたり飲んだりしている生活だと困ります。歯が溶ける時間が多くなり、修復が追いつきません。虫歯予防には歯が溶ける時間を短くすることです。つまり1、間食は短く少ない回数2、ガムを有効に活用することです。歯科専用リカルデントなどは噛むと唾液が出てきて口の中にいきわたり 酸を中和してくれます。そして市販の倍も入っている再石灰化物で積極的に石灰化します。またキシリトールは黴菌の活動を鈍くし 酸も出せなくなります。3.寝る前は飲食しない。睡眠時は唾液の量が減るので歯が溶ける時間が長引きます。4、就寝前歯磨きをする。虫歯菌や歯槽膿漏のばい菌の絶対量を減らすことが重要です。虫歯について予防法などを話しました。次に歯槽膿漏について簡単に話します。
歯槽膿漏も全身との影響は既に知られています。心臓や腎臓 など多臓器絵の影響 妊婦の未熟児の問題 糖尿病 動脈硬化などいろいろの関係があります。歯が抜ける50%は歯周病が原因です。歯の土台である歯茎の歯槽骨が溶けるのが歯周病です。その元が口の中の歯垢です。いわゆるはくそです。歯の根のもとに白くたまっている細菌の塊です。歯垢は歯と歯茎の間に隙間を作り これを歯周ポケットと言いますが そこに歯周病の病因菌を増やしてしまいます。嫌気性菌といって酸素の嫌いなばい菌でポケットの奥にどんどん増えます。その黴菌の毒素によって 歯骨細胞が活性化して骨を溶かしたり 炎症がおこったり 全身に毒素が回り 流産や 動脈硬化など全身疾患とも関係してくるのです。歯がぐらついたらかなり進行しています。そうなってからでは手遅れの場合もありますよ。
最初に触れた飲み込み障害ですが飲み込めないことで肺炎を発症する場合もあることは触れました。食べ物が間違って気道に入りこれを誤嚥と言いますが むせて苦しい思いをすることはだれしも経験があると思います。しかし一歩間違うと食べ物が肺に入り肺炎を起こし症状が悪化すれば 食事がとれずおなかに穴をあけて栄養剤を送り込む胃ろうの処置を受けなければならない時もあるのです。
原因は舌と 喉の筋肉の衰えです。喉には食べ物を胃に送る食道と空気を肺に送る気道が通っており二つが分岐する場所が蓋で隔てられています。その蓋を開閉する筋肉が弱ることで誤嚥が生じるのです。食べて飲み込むことが満足にできなくなることに悩む人はおよそ80万人以上いるそうです。これを摂食嚥下障害と言います。食事のときよくむせるようになった 話し声が小さくなったと感じる人も舌や喉の筋肉が弱っている可能性があるので注意してください。また認知症や脳卒中などがきっかけで食事の介護を受けるようになった高齢者にも飲み込み障害の悪循環に陥る場合が多くありますので注意は必要です。もちろんこのときの口腔内はできるだけ清潔なことは重要なことです。
この文章は健康と口腔の関係をあるところでお話ししたものを抜粋したものです。説明不足のところもあると思います。