小児歯科

■小児歯科について
食生活や環境の変化にともなって顎が小さくなったせいだとも言われますが、最近、歯並びやかみ合わせが悪いこどもが非常に多くなってきています。

日本人は歯並びの悪さをあまり気にしないと言われていますが、見た目の問題だけではありません。歯並びが悪いとむし歯や歯周病になる危険性が高くなりますし、かみ合わせが悪いと食べ物がうまくかめず、ごはんをおいしく食べられません。また、笑顔に自信がない、人前で笑えないなどのストレスを感じることもあります。

実は、歯並びの悪さやかみ合わせは、お父さんやお母さんが気をつけてあげることで、ひどくならずに済む場合もあるのです。子供の歯も、予防が大事です。子供の一生に関わる問題であり、お父さんやお母さんでなければしてあげられないことですから、ぜひ、お子さんの歯を守ってあげてください。

■3つのポイント
当院の小児歯科では、以下の3つについて重点的に診療しています。

1.まず、徹底的に予防をします。
2.もしむし歯になってしまったら、小さいうちに適切に治療します。
3.むし歯になりにくくなるように、歯並びやかみ合わせの治療もします。

小児の虫歯予防のポイントは、お父さんとお母さんです。乳児から幼児の間に、むし歯の原因菌であるミュータンス菌が家族から赤ちゃんに感染してしまうと、その子は一生ミュータンス菌が口の中にすみついてしまいます。

つまり、乳児から幼児の間にミュータンス菌を増やすことなく過ごすことができて、さらにきちんと歯みがきができるようになれば、むし歯になりにくいお口の状態のまま成長できるということです。

■「乳歯は永久歯に生え変わるから、むし歯になっても大丈夫!」
この考えは大間違いです!

これまで歯医者さんを知らないお子さんに、最初から治療するのはとても難しいことになります。ですからお母さんと一緒に、歯医者さんはどんな所か、またどんな道具があるのか理解してもらうために一番最初はトレーニングとしていろいろな器具や、唾液を吸い取る装置などを体験してもらいます。ある程度わかってもらえれば治療は可能になります。お母さんも歯医者さんは怖いところだとか脅かすような言葉は使わないようにしてください。楽しいところではないけど、がんばってバイキンマンと戦うように元気づけてください。

お子さんの歯がむし歯になっても、「まだ乳歯だし、いずれ永久歯に生え変わるから、むし歯になっても大丈夫だろう」と、お子さんのむし歯をまったく気にしなかったり、放ったままにしてしまうお父さんお母さんがいます。

でも、1本1本の乳歯の下には永久歯もうちゃんと存在していて、大きな意義をもっています。

乳歯を虫歯にしてしまうと・・・

・乳歯が大きく崩壊したり、自然に永久歯に生え変わる時期よりも早く抜けてしまうと、隣の歯が倒れて(寄って)きて、永久歯の生えるスペースを奪ってしまうことがあります。そうなると、後から永久歯が生えてこれなくなったり、変な位置に生えて…など、歯並びが悪くなってしまいます。
・乳歯が大きなむし歯になると、その下の永久歯の質が弱くなって、一生むし歯で苦労することがあります。

お子さん自身は、むし歯のこわさやその苦労を知りません。大切なお子さんにあの苦労をさせないように、お父さんやお母さんが、お子さんの歯を守ってあげてください。

■小児歯科の治療方法
できるだけむし歯にならないように、むし歯の苦労を今の子供たちにさせないように、当院では徹底した予防治療を心がけていますが、もしもむし歯になってしまった場合には、大人と同じように治療を行ないます。

そのために、できるだけ痛くない治療を心がけています。3歳を過ぎれば泣く子はほとんどいませんし、大声で叱ったりしながらの治療もしません(当然のことです)。しかし治療は楽しいものではありません、我慢をしてもらう場合もありますのでご理解お願いします。逆に6歳過ぎて協力が得られなかったり ご両親の治療に対しての理解、協力ければ治療は困難になり、大学病院の協力が必要な場合もあります。

先ほどの説明のようにまずトレーニングをします。どんな音がするのか、あるいはどんなふうに動くかなど実際に体験してもらい、そのうえで「なぜこの治療をするか」「どういう治療をするか」をお子さんに理解してもらい、治療は痛くない、こわくないと分かってもらえれば、大人と同じむし歯治療ができます。トレーニングが思うようにできない場合、大学病院の心療歯科外来を紹介する場合もあります。

むしろお父さんお母さんが、「子供がちゃんと理解できるかしら」「どうせ説明しても分からないから…」と思っていることの方が多いのですが、お子さんでも、3歳を過ぎると、しっかりと説明すればそれを子供なりにきちんと理解して、大人と同じように治療することができます。ですから先入観念で歯医者さんのあまりよくないイメージはお子さんには言わないでもらいたいと思います。お子様は痛みより何をされるのか怖いことが多いのです。私たちも怖さのほうが先のことが多いと思います。

当院では、小児歯科は小児歯科専門医(女医)が行います。安心してご来院ください。

小児歯科専門医については 日本小児歯科学会ホームページ をご覧ください。アドレスが出ますのでクリックしてください。長野県をクリックすれば、長野県の小児歯科専門医がわかります。2020年現在松本市内専門医は3人、女医は当医院だけです。小児歯科の標榜は自由ですが専門医は全国でも少なく、多くは大学病院に在籍しています。