歯科治療理念

私が歯科医師となっておよそ40年経ちました。当時の歯科医院は3時間待って10分治療のような、患者さんが待合室からあふれ外にまで並ぶような状態でした。今は考えられませんね。歯科治療の進歩はすごいものです。

私は歯科に関係のない家庭で育ち、あまり口腔衛生にも興味がなく虫歯を作り歯医者さんに通い、ほとんど治療した歯の状態です。ですから本当は患者さんの気持ちはよくわかるつもりです。現在も虫歯があり、入れ歯も使っています。そして自分の口の中を考えると、なるべく削りたくないし抜きたくないという気持ちはものすごくあります。できれば歯科医院には行きたくないですよね。でもアメリカなどではそうですが、定期的検診・予防は現在の歯科の最大の課題であり目標です。

診療の時は、その考えの繰り返しでした。その間に材料もどんどん良くなり、接着ということが歯科で可能になってきました。それによりMI(最小限の治療)ということが可能になってきました。私が歯科医になったころはまだなかった概念です。どんどん取り入れてきましたが、新しい物には多少のリスクもあります。ある程度の時間が経過しないと結論が出ないのです。ですからいろいろの変遷を繰り返してきて現在の診療スタイルになってきました。これからも新しい材料や治療法は勉強していきたいと思います。

でも一番は虫歯にしないこと。一番の目標だと思います。予防やPMTCを重要なものだと考えており、PMTCだけの患者さんもたくさんおります。PMTCの説明もありますが興味があれば遠慮なくおいでください。

次に削る時はいろいろのことを考えてそれに合った方法をおこなう。抜くべき歯はしっかり抜く。患者さんに一番いい方法を、お互いに考えていきたいと思います。親知らずも抜くべき時はもちろん患者さんと相談してですが、抜きます。なんでも残せばいいとは限らないと、私は思っております。これについてはMIで説明させていただいております。ぜひご覧ください。

また、できる限りいい治療をしようと考えれば、時間とコストは抜きには考えられません。その時、最良の治療を心がけます。しかし保険診療では制限があり、より良い治療方法となれば自費診療になる場合も考えられます。その場合は説明をさせてください。無理にではありません。情報の伝達であり、あとはご自分の判断だと考えます。この考え方を、インフォームド オプションと言います。

私は自分の親や子供や自分ならどうしたいか、まずそれを考え、あとは患者さんのニーズも考え合わせて、その時最良の治療をしたいと思っています。治療には患者さんの理解と協力が必要です。私だけやろうとしても、お口の中が見えなかったり、汚れていたりしてはなかなか思うようにならないこともあります。お互いにがんばって、一生自分の歯が使えるようにしましょう。残念ながら入れ歯になっても、できるだけ噛めるよう努力します。

8020運動という言葉はすでにご存じだと思います。20本歯があれば十分ものが噛めるということで、80歳まで20本の歯を残すために歯科医師は努力しています。少なくても50歳で24本ないと、この目標は達成されないと思います。もしそれより少なくてもこれから頑張って、一生自分の歯で噛めれば、全身的にも健康でいられるはずです。よく噛んで、元気で過ごすためにお互い努力しましょう。

私は外に向かって発信するつもりがなくカメラもあまりよいものを使っておりません。ですから今の写真は写りのいいものとは限りませんのでご容赦願います。また特別なこともしていませんが、すこし私の診療の考え方がわかってもらえればと思いこのホームページを作りました。あくまでも私の考えですのでご了承ください。また使用している写真は、実際の物でなるべく写りのいいものです。

それと私は診療中は怖く感じられる方もいるようですが、話しかけるのが下手なだけで、結構話し好きですので、なんでも話してください。