たばこと歯茎
最近、禁煙権が一般社会に認知されるようになり、公共の場所や乗り物などでも禁煙のところが多くなってきたことはご存じのとおりです。愛煙家にとっては誠に肩身の狭い時代になってきました。ところで、たばこを吸いすぎると歯の裏側に褐色のタールが付着することはよく知られています。歯茎に対してはどうでしょう?アメリカの調査では、たばこを吸っている人は吸っていない人の三倍以上歯肉炎や歯周病にかかりやすく、それによって歯を失ってしまう割合も二倍も高いという結果が報告されています。ではなぜ、たばこを吸いすぎると歯周病などになりやすいのでしょう。一般にこれはたばこの煙に含まれているニコチンや、一酸化炭素などの作用により、歯茎への酸素の供給量が減り、そのために栄養の補給が低下したり、ビタミンCが一日の必要量の半分近く消費されてしまったりするためです。また歯茎の細菌を減少させる白血球もたばこにより著しく機能が低下してしまうことが知られていますが、これらも歯茎の病気を進める原因となります。たばこを吸う人の口が臭いのは歯周病が悪化していたり肺にタールが付着しているからだといわれています。くれぐれも健康のため吸いすぎに注意して、定期的に健診を受けて歯石などを取り除いてもらい歯茎の健康にも注意してください。